【決定版】主要クラウドの無料枠を徹底比較!AWS, GCP, Azure, OCI…お金をかけずに始める方法

目次

これからクラウドを始めたいあなたへ!主要クラウドプロバイダーの「無料枠」を徹底解説

「クラウド」という言葉はよく聞くけれど、「なんだか難しそう」「お金がかかるんじゃないの?」と敬遠していませんか? 特に、自分のプログラムを動かしたり、ウェブサイトを公開したりするための「仮想サーバー」を使ってみたいと思っても、費用が気になる方は多いはずです。

でも実は、AWS、GCP、Azureといった主要なクラウドプロバイダーの多くが、「無料」で仮想サーバーをはじめとする様々なサービスを利用できる仕組みを提供しているんです!

この記事では、プロのテクニカルライターが、主要クラウドプロバイダーの無料枠について分かりやすく解説します。これからクラウドに触れてみたい方、個人開発や学習のためにサーバーを使ってみたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

クラウドの「無料枠」ってどんな仕組み?

クラウドプロバイダーが提供する無料枠には、大きく分けて2つのタイプがあります。

  1. 無料トライアル: 新規ユーザー向けに、期間限定でサービスを試せるクレジットや無料利用枠が付与されるものです。例えば「登録から30日間は〇〇ドル分のクレジットが使える」「12ヶ月間は特定のサービスが無料で使える」といった形です。期間が終了すると、有料に切り替わるのが一般的です。
  2. 常時無料枠 (Always Free Tier): 無料トライアル期間が終了した後も、特定のサービスを制限された範囲内で永続的に無料で利用できる枠です。個人でちょっとしたアプリケーションを動かしたり、学習環境として使い続けたりするのに非常に便利です。

これらの無料枠は、新しいユーザーにサービスの良さを知ってもらい、気軽にクラウドに触れてもらうために提供されています。うまく活用すれば、費用を気にせずクラウドの強力な機能を試すことができます。

主要クラウドプロバイダーの無料枠を比較!

それでは、主要なクラウドプロバイダーが提供している仮想サーバー(コンピュータ)の無料枠について、具体的な内容を見ていきましょう。

1. Amazon Web Services (AWS)

世界最大手のクラウドプロバイダーです。

  • 無料利用枠の期間: 新規アカウント作成から12ヶ月間
  • 仮想サーバー (EC2) の無料枠:
    • t2.micro または t3.micro インスタンス(地域によって異なります)を毎月750時間利用可能。これは、1台のサーバーを24時間365日、まるまる1ヶ月間動かし続けても無料になる計算です。
    • LinuxとWindows Serverの両方で利用できます。
  • その他の主な無料サービス: ストレージサービス (S3)、データベースサービス (RDS)、サーバーレス実行環境 (Lambda) など、多数のサービスにも無料枠があります。
  • 注意点:
    • 無料期間は12ヶ月限定です。期間終了後は通常の従量課金が発生します。
    • 無料枠の上限(例: 750時間)を超えた場合も課金されます。

2. Google Cloud Platform (GCP)

Googleが提供するクラウドサービスです。

  • 無料トライアル: 新規ユーザー向けに$300相当のクレジット90日間付与されます。このクレジットを使って、ほぼ全てのGCPサービスを試すことができます。
  • 常時無料枠 (Always Free): 無料トライアル期間終了後も、一部サービスは永続的に無料で利用可能です。
    • 仮想サーバー (Compute Engine) の常時無料枠:
      • e2-micro インスタンス(特定の地域のみ)を毎月1インスタンス無料。
      • 30GBの標準永続ディスクストレージ(サーバーのハードディスクのようなもの)、特定の地域で5GBのスナップショットストレージも無料。
      • 特定の地域からのデータ転送量1GB/月も無料。
  • その他の主な常時無料サービス: ストレージ (Cloud Storage)、サーバーレス実行環境 (Cloud Functions)、ウェブアプリケーションプラットフォーム (App Engine) など。
  • 注意点: 無料トライアルクレジットは期間または金額上限があります。常時無料枠は利用できる地域やスペックに制限があります。

3. Microsoft Azure

Microsoftが提供するクラウドサービスです。

  • 無料アカウント: 新規アカウント作成から12ヶ月間、人気のサービスが無料。さらに最初の30日間は200ドル (約2万円強) のクレジットが付与され、有料サービスも試せます。
  • 仮想サーバー (Virtual Machines) の無料枠:
    • LinuxのB1s インスタンスを毎月750時間利用可能。
    • WindowsのB1s インスタンスを毎月750時間利用可能。
  • 常時無料サービス: 12ヶ月の無料期間後も、一部サービスは永続的に無料で利用できます(例: Azure Functions、Azure Cosmos DBの一部など)。
  • 注意点: 12ヶ月の無料期間またはクレジットを使い切ると、従量課金に移行するかを選択することになります。

4. Oracle Cloud Infrastructure (OCI)

Oracleが提供するクラウドサービスです。特に常時無料枠の手厚さで知られています。

  • Free Tier (常時無料枠): 永続的に無料で利用できる非常に generous(気前が良い)な枠が特徴です。
    • 仮想サーバー (Compute) の常時無料枠:
      • Ampere A1 Compute インスタンス (Armベース): 最大で合計4 OCPU24GBメモリを、1台または複数台のVMとして柔軟に利用可能。これは、他のプロバイダーの常時無料枠と比較してかなり高スペックです。
      • VM.Standard.E2.1.Micro インスタンス (x86ベース): 2台まで、それぞれごく小規模なCPUと1GBメモリ。
    • ストレージ: 200GBのブロックボリューム、20GBのオブジェクトストレージも無料。
    • その他: ロードバランサー、Autonomous Database(フルマネージドデータベース)も2つまで常時無料枠に含まれます。
  • 特徴: クレジットカード登録は必要ですが、無料枠の範囲内であればずっと無料で使えるリソースが多いのが最大の魅力です。個人で少し大きめのサーバーを常時稼働させたい場合に強力な選択肢となります。

5. Alibaba Cloud

中国最大手のクラウドプロバイダーです。

  • 無料トライアル: 新規ユーザー向けに、特定の製品が期間限定で無料または割引価格で提供されます。
  • 仮想サーバー (ECS) の無料枠: 時期によって内容は変動しますが、特定の低スペックインスタンスが12ヶ月無料になるキャンペーンなどが行われることがあります。
  • 注意点: キャンペーン内容は頻繁に変わる可能性があるため、最新情報は公式サイトで確認が必要です。日本のユーザーにとっては、他のグローバルプロバイダーの方が使い慣れているかもしれません。

無料枠でどんなことができる?活用例

これらの無料枠を使えば、様々なことにチャレンジできます。

  • 学習環境: Linuxサーバーの操作や、特定のミドルウェア(Webサーバー、データベースなど)の構築・学習。
  • 個人ブログ・ウェブサイト運営: WordPressなどのCMSを使ったブログや、簡単な静的サイトの公開。
  • 小規模アプリケーションのテスト・公開: 自分で開発したウェブアプリケーションやAPIの動作確認、試験的な公開。
  • 開発環境: ちょっとしたプログラムの実行環境や、リモート開発環境として。
  • IoTデバイスのバックエンド: 少量のデータ収集や処理を行うサーバーとして。

特にOCIの常時無料枠は、他のプロバイダーの12ヶ月限定の無料枠と異なり、継続的にサーバーを動かしておきたい個人プロジェクトに非常に適しています。

無料枠を利用する上での注意点と「うっかり課金」を防ぐには

無料はとても魅力的ですが、いくつか注意しておきたい点があります。これを怠ると、意図せず料金が発生してしまう可能性があります。

  • 無料枠には制限がある: CPUの性能、メモリ容量、ストレージのサイズ、外部へのデータ転送量などに無料の範囲が定められています。これらの上限を超えると、超過分に対して課金が発生します。
  • 期間に注意: AWSやAzureの主要な仮想サーバー無料枠は12ヶ月限定です。期間が過ぎたことに気づかず使い続けると、急に請求が発生することがあります。カレンダーやリマインダーに無料期間の終了日をメモしておきましょう。
  • クレジットカード登録は必須: ほとんどの場合、無料枠を利用開始する際にクレジットカードの登録が必要です。これは本人確認のためと、万が一無料枠を超過した場合や無料期間終了後に利用を継続した場合の支払いに使われるためです。
  • リージョンによって利用できるサービスや無料枠の内容が異なる場合がある: 例えばGCPのe2-microの常時無料枠は一部の地域限定です。無料枠の対象となっている地域を選んでリソースを作成しましょう。
  • 用途を明確に: 無料枠はあくまで「試用」や「小規模な利用」向けです。本格的な商用サービスや、大量のアクセスが予想される用途にはスペックが不足したり、無料枠の上限を超過して高額な費用が発生したりするリスクがあります。

「うっかり課金」を防ぐための実践的な対策

  • 公式ドキュメントをよく読む: 各プロバイダーの無料枠に関する公式ドキュメントを隅々まで確認し、対象サービス、無料範囲、期間を正確に理解しましょう。
  • 無料枠の範囲内で利用を徹底する: 作成するサーバーのスペックや台数、利用時間などが無料枠内に収まっているか常に意識しましょう。
  • 予算アラートを設定する: 多くのクラウドプロバイダーでは、利用料金が設定した金額を超えた場合に通知を受け取れる予算アラート機能を無料で提供しています。これを必ず設定しておきましょう。たとえ100円でも良いので、少額を設定しておくと、異常な課金を早期に検知できます。
  • 使わないリソースは削除する: 無料枠対象外のリソースを作成してしまったり、無料期間終了後も利用を停止・削除し忘れたりすると課金されます。不要になったサーバーやストレージは必ず削除しましょう。
  • 無料枠対象のリソースであることを確認する: リソース作成時に、それが無料枠の対象となるインスタンスタイプや設定になっているか再度確認しましょう。

発展的な視点:無料枠を超えてクラウドを使い続けるには?

無料枠でクラウドの便利さを体験したら、もう少し本格的に使ってみたくなるかもしれません。無料枠の期間が終了したり、無料枠ではスペックが足りなくなったりした場合の選択肢も知っておきましょう。

  • 従量課金での継続: 無料枠期間終了後も、そのまま同じリソースを使い続ける場合は、利用した分だけ料金が発生する「従量課金」に自動的に切り替わります。スペックによっては月数百円程度で運用できる場合もあります。
  • より高スペックなインスタンスへの変更: 無料枠対象外の、よりCPUやメモリが多いインスタンスタイプに変更することで、パフォーマンスを向上させられます。
  • リザーブドインスタンス/Savings Plans: 長期間(1年や3年)の利用を確約することで、従量課金よりも大幅な割引を受けられる制度です。ある程度継続利用の目処がついたら検討する価値があります。
  • 他のサービスとの組み合わせ: 仮想サーバーだけでなく、データベース、ストレージ、ネットワークなど、様々なクラウドサービスを組み合わせて、より高度なシステムを構築できます。

無料枠でまずは触ってみて、必要に応じて少しずつステップアップしていくのが賢いクラウド活用法と言えるでしょう。

さあ、クラウドの無料枠で始めてみよう!

AWS, GCP, Azure, OCIといった主要なクラウドプロバイダーは、これからクラウドを学びたい人、個人で何か作ってみたい人に向けて、非常に魅力的な無料枠を提供しています。特にOCIの常時無料枠は、個人開発者にとって強力な選択肢となります。

もちろん、無料枠には制限があり、利用には注意が必要です。しかし、公式サイトで最新情報をしっかり確認し、利用上の注意点を守れば、費用を気にせずクラウドの世界に飛び込むことができます。

仮想サーバーを触ってみることは、これからのITスキルを身につける上で非常に役立ちます。この記事を参考に、ぜひあなたの興味のあるクラウドプロバイダーの無料枠に登録して、クラウド体験を始めてみてください!きっと新しい発見があるはずです。

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