GASトリガーの初回実行はいつ?知っておくべき起動タイミング

【GAS】繰り返しトリガーの「初回実行タイミング」はいつ?設定後すぐに動かない理由と具体的なパターンを徹底解説

Google Apps Script(GAS)を使って、特定の処理を自動化している方は多いでしょう。その自動化の要となるのが「トリガー」機能です。特に「〇時間おきに実行する」「毎日決まった時間に動かす」といった繰り返し実行するトリガーは非常に便利です。

しかし、この繰り返しトリガーを設定した際、「あれ?設定したのにすぐには実行されないな…」「最初の1回目はいつ動くんだろう?」と疑問に思った経験はありませんか?

この記事では、GASの繰り返しトリガーを設定した際に、プログラムが最初にいつ実行されるのかという、多くの方が抱える疑問について、Googleの公式仕様に基づいた結論と具体的なパターン別のタイミングを徹底的に解説します。この記事を読めば、GASトリガーの初回実行タイミングを正確に理解し、安心して設定できるようになります。

目次

GASのトリガーとは?自動化の仕組みを理解する

まずは、GASの「トリガー」とは何か、簡単に触れておきましょう。

GASにおけるトリガーとは、特定のイベント(出来事)を検知して、GASの特定の関数(プログラムのまとまり)を自動的に実行させるための仕組みです。手動でスクリプトを実行する手間を省き、スプレッドシートの更新、フォームの送信、そして時間経過といったイベントをきっかけに、あらかじめ決められた処理を自動で行うことができるようになります。

繰り返しトリガーは、この「時間経過」をイベントとするトリガーの一種です。「毎時」「毎日」「毎週」といった周期で、定期的にスクリプトを実行させることができます。

繰り返しトリガー、最初のスタートはいつ?結論から!

さて、本題です。繰り返しトリガーを設定した際に、プログラムが最初に実行されるのはいつなのでしょうか?

結論:

繰り返しトリガーは、設定した瞬間に実行されるわけではありません。設定が完了した後、設定された時間条件を次に満たす、最も早いタイミングで初回実行が行われます。

これは非常に重要なポイントです。設定直後にプログラムが実行されると思い込んでいると、意図した通りに動かないと感じてしまうかもしれません。

パターン別!繰り返しトリガーの具体的な初回実行タイミング

それでは、「設定した時刻から見て『次に条件を満たす一番早い時間』」とは具体的にどのようなタイミングになるのか、設定頻度ごとの例を見ていきましょう。

1. 「〇時間おき」に実行する設定の場合

例えば、「1時間おきに実行」というトリガーを設定したケースを考えます。

あなたが午前10時30分にこのトリガーを設定したとします。

  • 設定時刻: 午前10時30分
  • 設定内容: 1時間おきに実行

この場合、設定された午前10時30分という時刻から見て、次に「1時間経過する」のは午前11時30分です。したがって、最初の実行は、設定から1時間後の午前11時30分頃になります。

設定した直後である午前10時30分には実行されません。これは、「1時間おき」という周期の起点(ベース)が、トリガーを設定した時刻になったと考えることができます。

2. 「毎日 特定の時間帯」に実行する設定の場合

次に、「毎日、特定の時間帯(例: 午前9時~10時の間)」に実行するトリガーを設定した場合を見てみましょう。このケースでは、トリガーを設定した時刻と、指定した時間帯との関係によって初回実行タイミングが変わります。

パターンA:設定したのが、指定時間帯より「前」の時刻

  • 例: 毎日 午前9時~10時の間に実行したい。午前8時にトリガーを設定した。

この場合、設定時刻である午前8時よりも、指定した時間帯(午前9時~10時)の方が後に来ます。したがって、最初の実行は、設定したその日の午前9時~10時の間になります。

パターンB:設定したのが、指定時間帯より「後」の時刻

  • 例: 毎日 午前9時~10時の間に実行したい。午後3時にトリガーを設定した。

この場合、設定時刻である午後3時には、その日の午前9時~10時の時間帯は既に過ぎ去っています。設定時刻から見て、次に条件を満たす時間帯は、翌日の午前9時~10時です。したがって、最初の実行は、設定した日の翌日の午前9時~10時の間になります。

パターンC:設定したのが、指定時間帯の「最中」

  • 例: 毎日 午前9時~10時の間に実行したい。午前9時15分にトリガーを設定した。

この場合、設定時刻である午前9時15分は、指定した時間帯(午前9時~10時)の最中です。したがって、設定時刻から見て、次に条件を満たすのは、その日の午前9時15分以降、午前10時までの間ということになります。最初の実行は、設定したその日の午前9時15分以降、午前10時までの間になる可能性が高いです。

どのパターンも、「設定した時刻」を基準にして、「次に条件を満たす」時間がいつかを判断すれば理解できます。

3. 「毎週 特定の曜日・時間」に実行する設定の場合

最後に、「毎週、特定の曜日・時間(例: 毎週月曜日の午前10時)」に実行するトリガーを設定した場合です。

あなたが金曜日の午後2時に「毎週月曜日の午前10時に実行」というトリガーを設定したとします。

  • 設定時刻: 金曜日 午後2時
  • 設定内容: 毎週月曜日 午前10時

設定時刻である金曜日の午後2時から見て、次に月曜日の午前10時が来るのは、次に巡ってくる月曜日です。したがって、最初の実行は、設定した日の次にやってくる月曜日の午前10時頃になります。

これも、「設定した時刻」を基準に、「次に条件を満たす」曜日と時間がいつかを判断していることがわかります。

知っておきたい補足事項:実行タイミングの「ズレ」について

ここまでの説明で、繰り返しトリガーの初回実行タイミングの原則はお分かりいただけたかと思います。しかし、もう一つ知っておくべき重要なポイントがあります。

それは、設定した時刻や計算上のタイミングから、数分程度のズレが生じる可能性があるということです。

例えば、「毎日午前9時」に設定しても、実際に実行されるのは午前9時1分や午前9時3分といったように、数分の誤差が生じることがあります。これは、GASが動作しているGoogleのサーバーの状況や負荷によって発生するものであり、避けることはできません。

このズレは、トリガーの種類(時間おき、毎日など)や設定内容に関わらず発生する可能性があります。したがって、「ピッタリその時間に実行される」のではなく、「おおよそその時間帯に実行される」と理解しておくことが大切です。多くの一般的な用途では、この数分程度のズレが問題になることは少ないでしょう。

もし、厳密な時間精度が求められる場合は、GASのトリガー単体では難しい場合があります。その場合は、他のサービス(例: Google Cloud PlatformのCloud Schedulerなど)との連携も検討が必要になるかもしれません。

参考:Google Apps Script トリガーの管理
(GAS公式ドキュメントには、トリガーの概要や設定方法が詳しく記載されています。)

もし初回実行がされない/遅れる場合

トリガーを設定したはずなのに、計算した初回実行タイミングを過ぎてもプログラムが動かない、という場合は、以下の点をチェックしてみてください。

  1. トリガー設定の確認:
    • GASエディタの左側にある時計のアイコン(トリガー)をクリックし、設定したトリガーがリストに表示されているか確認します。
    • 設定内容(実行する関数名、イベントの種類、時間設定など)が意図通りになっているか再度確認します。
    • トリガーの「状態」が「実行中」や何も表示されていない(有効な状態)になっているか確認します。エラーになっている場合は、エラーメッセージを確認します。
  2. 実行ログの確認:
    • GASエディタの左側にある虫のアイコン(実行)をクリックし、対象関数の実行ログを確認します。
    • トリガーによる実行があったか、そしてエラーが発生していないかを確認します。エラーが出ている場合は、その内容に基づいてスクリプトを修正する必要があります。
  3. スクリプトのエラー確認:
    • 記述したスクリプト自体に文法エラーや実行時エラーがないか確認します。手動で一度実行してみて、エラーが出ないか試してみるのも有効です。

これらの確認を行うことで、問題の原因を特定し、解決につなげることができます。

まとめ:初回実行タイミングを理解して、GAS自動化を使いこなそう!

GASの繰り返しトリガーの初回実行タイミングは、「設定した瞬間」ではなく、「設定した時刻から見て、次に条件を満たす最も早いタイミング」で開始されます。

  • 「〇時間おき」なら、設定時刻から指定時間経過後。
  • 「毎日 特定時間帯」なら、設定時刻が指定時間帯より前か後か、あるいは最中かでその日か翌日かが決まる。
  • 「毎週 特定曜日・時間」なら、設定時刻から次に該当する曜日・時間になったとき。

この原則を理解しておけば、「設定したのにすぐ動かない!」と焦ることもなくなります。また、実行タイミングには数分程度のズレが生じる可能性があることも覚えておきましょう。

GASの繰り返しトリガーは、日々の定型作業を自動化する強力なツールです。今回の解説で初回実行タイミングに関する疑問が解消され、自信を持ってGASの自動化機能を活用できるようになれば幸いです。あなたのGASライフが、さらに快適で効率的になることを願っています!

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