HUAWEI P20 lite (HWV32) は、その美しいデザインと手頃な価格で一世を風靡し、今もなお多くのユーザーに愛用されています。しかし、スマートフォンの寿命において避けて通れないのが「OSアップデートの終了」という問題です。au版のHUAWEI P20 lite、型番HWV32に関しても、この時が訪れています。
HWV32 (HUAWEI P20 lite) の公式OSアップデートはAndroid 9で打ち止め
au公式のサポート情報によると、HUAWEI P20 lite (HWV32) に対するOSアップデートは、最新バージョンとしてAndroid 9 (Pie) が提供された後に終了しています。つまり、これ以降のAndroid OSバージョン(Android 10, 11, 12…)への公式なバージョンアップは提供されません。
これは、P20 liteユーザーにとって非常に重要な意味を持ちます。なぜなら、OSのアップデートが終了すると、以下のような様々な影響が出てくる可能性があるからです。
- セキュリティリスクの増加: 最新のOSアップデートには、発見された脆弱性(セキュリティ上の弱点)を修正するパッチが含まれています。アップデートが提供されなくなると、新たな脆弱性が見つかっても修正されず、マルウェア感染や個人情報の漏洩リスクが高まります。特にネットバンキングやオンライン決済などを頻繁に利用する方は注意が必要です。
- 最新アプリとの互換性の問題: アプリケーションは新しいOSの機能を利用したり、古いOSのサポートを終了したりすることがあります。OSが古いままでは、最新のアプリが正常に動作しなかったり、そもそもインストールできなくなったりする可能性があります。
- 新機能やパフォーマンス改善の恩恵を受けられない: 新しいAndroid OSでは、バッテリー持ちの改善、プライバシー機能の強化、操作性の向上など、様々な新機能や改良が加えられています。これらの恩恵を受けられなくなります。
- 動作が不安定になる可能性: 長期間同じOSバージョンを使用し続けると、システムファイルやアプリの蓄積により動作が重くなったり、予期せぬエラーが発生したりすることがあります。
もちろん、Android 9でも多くのアプリはまだ動作しますし、基本的な通話や通信機能が直ちに停止するわけではありません。しかし、スマートフォンを取り巻く環境は常に進化しており、OSが最新でないことによるリスクや不便さは時間と共に増大していくと考えられます。
事例で考える:アップデート停止の影響
具体的にどのような影響が出る可能性があるでしょうか。
例えば、ある人気の新しいゲームアプリが「Android 10以降必須」という要件でリリースされたとします。HUAWEI P20 lite (HWV32) のOSはAndroid 9で止まっているため、このゲームはインストールすらできないことになります。
また、フィッシング詐欺の手口は日々巧妙化しています。最新のOSには、こういった脅威からユーザーを守るためのセキュリティ機能が追加されている場合があります。Android 9にはその機能が搭載されていないため、より無防備な状態でネットの脅威に晒されるリスクが高まります。
さらに、普段何気なく使っている既存のアプリも、今後のアップデートで「Android 9のサポートは終了します」と告知される可能性もゼロではありません。こうなると、アプリの機能が使えなくなったり、最悪の場合は起動すらできなくなったりする事態も考えられます。
これらの例はあくまで可能性ですが、実際に古いOSを搭載した端末で起こりうる現実的な問題です。
OSアップデートが打ち止めになったHUAWEI P20 liteを使い続けること、そして今後の選択肢について、メリットとデメリットを整理してみましょう。
現状維持(HUAWEI P20 liteをそのまま使い続ける)
- 費用がかからない: 新しい端末を購入する必要がないため、最も経済的な選択肢です。
- 使い慣れた操作性: 端末やOSの操作に慣れているため、困ることが少ないです。
- セキュリティリスクの増大: これが最も大きなデメリットです。脆弱性が修正されないまま使用し続けることは危険です。
- 最新アプリや機能の利用制限: 今後、使いたいアプリが非対応になる可能性が高まります。
- バッテリー劣化などハードウェアの寿命: 端末自体の寿命が近づいている可能性があります。
買い替え(新しいスマートフォンに機種変更する)
- 最新のセキュリティ: 最新OSとメーカーによるセキュリティアップデートで、安心して利用できます。
- 高性能化: 処理速度が向上し、最新のアプリも快適に動作します。カメラ性能やバッテリー持ちも大幅に改善されていることが多いです。
- 新しい機能の利用: 最新OSや端末メーカー独自の新機能を利用できます。
- 費用がかかる: 新しい端末の購入費用が発生します。ハイスペックモデルを選ぶと数万円~十数万円以上かかることもあります。
- データの移行作業: 古い端末から新しい端末へのデータ移行が必要です。
中古端末や型落ちモデルを検討する
- 費用を抑えられる: 最新モデルよりも安価に入手できます。
- まだOSサポート期間が残っているモデルを見つけられる可能性がある: 選ぶモデルによっては、あと数年はOSアップデートが提供される可能性があります。
- バッテリー劣化や傷などのリスク: 中古品のため、状態の確認が必要です。
- OSサポート期間が短い場合がある: 購入時点で既にOSアップデートが終了間近、という可能性も。
- 保証やサポートに限りがある: 新品に比べて保証期間が短い、または無い場合があります。
HUAWEI P20 lite (HWV32) のOSアップデート終了という状況を踏まえ、あなたが次に取るべきアクションについて具体的なアドバイスをします。
- まずは現状のリスクを認識する: ご自身の利用状況(どのくらい機密性の高い情報を扱っているか、どんなアプリを使いたいかなど)を踏まえ、セキュリティリスクや機能制限がどれだけ許容できるか考えてみましょう。
- セキュリティ対策は怠らない: もしすぐに買い替えが難しい場合でも、以下の対策は必須です。
- 不審なメールやSMSのリンクは絶対に開かない。
- 信頼できない提供元からアプリをインストールしない。
- アプリの権限設定を見直す。
- パスワードは使い回さず、強力なものを設定する。
- 定期的に重要なデータのバックアップを取る。
- 可能であれば、利用するアプリのセキュリティアップデートはこまめに行う(OSアップデートとは別に提供される場合があります)。
- 新しいスマホ選びの基準を決める: 買い替えを決意した場合、どんなスマホが必要か、予算はいくらかを具体的に考えましょう。
- 予算: 新品か中古か、ハイエンドかミドルレンジかエントリーモデルか。
- OS: 最新のAndroidか、iPhoneか。Androidを選ぶなら、OSアップデートの提供期間が長いメーカー(Google Pixelや一部のSamsung Galaxyなど)を検討するのも手です。
- 用途: カメラ性能重視か、ゲーム性能重視か、バッテリー持ちか、コンパクトさかなど。
- 購入場所: 携帯キャリア、家電量販店、オンラインストア、中古販売店など。SIMフリーモデルを購入し、格安SIMと組み合わせて通信費を抑えることも可能です。
携帯キャリアで購入した端末以外にも、メーカー直販や家電量販店などで販売されているSIMフリー端末があります。これらの端末は特定のキャリアに縛られず、自由にSIMカードを選んで挿入できます。月々の通信費用を抑えたい場合は、SIMフリー端末と「格安SIM」(MVNO)の組み合わせが非常に人気です。auから乗り換える場合、au回線を使った格安SIMを選べば、通信品質の変化を感じにくいというメリットもあります。新しいスマホに買い替える際に、通信費も見直す良い機会かもしれません。
- 情報収集を行う: 気になるモデルがあれば、レビュー記事や比較サイト、口コミなどを調べて情報を集めましょう。OSのサポート期間についても事前に確認することをおすすめします。
- 無理のないペースで検討を進める: スマートフォンは日々の生活に欠かせないツールです。ご自身の状況に合わせて、最適な選択肢を見つけてください。すぐに買い替えなくても、リスクを理解し、対策を講じながら検討する時間を持つことも大切です。
au版 HUAWEI P20 lite (HWV32) の公式OSアップデートがAndroid 9で終了したという事実は、今後の利用においてセキュリティや機能面での考慮が必要になることを意味します。
- 現状の確認: ご自身のP20 liteがAndroid 9以降にアップデートされていないことを確認しましょう。
- リスクの理解: OSアップデートがないことによるセキュリティリスクやアプリの互換性問題を理解することが第一歩です。
- 選択肢の検討:
- リスクを承知でそのまま使い続ける(セキュリティ対策は必須!)
- 新しいスマートフォンに買い替える(最新の安心と快適さを手に入れる)
- 中古や型落ちモデル、SIMフリー端末などを検討する(費用を抑えつつ、P20 liteより新しい環境へ)
- 具体的な行動: リスク対策を行いながら、ご自身の予算や使い方に合った次期スマホの情報収集を始めましょう。
HUAWEI P20 liteは素晴らしいスマートフォンでしたが、技術の進歩と共に役目を終えつつあります。この記事が、P20 liteユーザーの皆様がこれからどうするかを考える上で、少しでもお役に立てば幸いです。